01/28 近況



(坂東牧場)
ダク1200m、キャンター2400m。馬体重455キロ。
担当スタッフ「この中間もさほどピッチは上げずにやっています。体に痛いところはなく、心配な点はないですよ。かなり進んだ組でやっていたので、メリハリをつけて進めていきたいと思っています。やや気の強い面はありますが、気にするほどではなく、全体的にはしっかりとした印象。日々の成長も感じます」


こちらは遅生まれにも拘わらず、昨年末には15〜16秒とこの時期にしては結構速い時計の調教を積んでいるようです。坂東牧場さんもビッグレッド並みの早期ハードトレ派なのかしら?ま、ビッグレッドでは順調な馬は既に15秒を切るような強い稽古もしてますし、坂東さんとは違って、怪我や体調面に不安が出ない限りペースダウンはしないんですけどね。

何はともあれ、順調そうで何より。このまま頑張っていただきたい。






以下、自分用近況メモ




01/15(坂東牧場)
ダク1200m、キャンター2400m。
担当スタッフ「暮れに15〜16秒くらいのところまでやって、それ以降はいくらかペースダウンして乗っています。速いところばかりやっても良くないので、メリハリのつけた調教を課しています。体調面や脚元は問題ないですし、ここまで本当に順調にきていると思います。様子を見ながら、徐々にペースを上げていきます」




12/28(坂東牧場)
ダク1200m、キャンター2400m。
担当スタッフ「うちでも順調な組で乗っていますよ。この中間からキャンターの距離を2400mに延ばし、週1回は坂路にも入れています。24日には坂で5Fから15〜16秒の時計もマークしました。日を追うごとに全身を使ったフォームができるようになっています。かん性は強い方ですが、並んでから強そうなタイプだと思います。距離は間違いなくビービーガルダンよりは持つと思いますよ」




11/30(坂東牧場)
ダク1200m、キャンター2000m。馬体重467キロ。
担当スタッフ「この中間も順調にメニューをこなしています。キャンター2000mをメインに、競走馬としての基本的な事項をしっかり学ばせるメニューも並行して課していますが、まったくへこたれることなく元気に成長してくれています。まだまだ子供な面はありますが、この時期なのでそれは当然でしょう。遅生まれでも体はしっかりしていて鍛え甲斐がありそうな子です。とにかく怪我だけには注意して、焦らず進めていきたいですね」




10/30(坂東牧場)
ダク1200m、キャンター2000m。馬体重469キロ。
担当スタッフ「キャンターといってもまだ26〜27秒といったところですが、それでも順調に馴致をクリアして早い組で調教に励んでいます。骨も強そうだし、遅生まれの感じはしませんね。牝馬らしく少しカリカリしたところはありますが、競馬にいってちょうど良いくらいの気性だと思います。そういう面ではビービーガルダンにそっくり。あとは変にイレ込んだりしないようにメンタル面のケアもしっかり進めていきたいと思います」




【2009.8月測尺】                     
馬体重435 体高155 胸囲173 管囲19

【予定育成先】
坂東牧場




【カタログ;血統紹介】
 ニュージーランドで生まれた母オールザチャットは、芝1200mで争われるSTCスイートエンブレイズS(豪G3)の勝ち馬。力強いスピードを武器とする一流スプリンターでした。繁殖牝馬として日本に導入されてからも、その活躍は続き、父にチーフベアハートを持つ牡駒ビービーガルダンが、2009年3月に芝1400mの阪急杯(G3)を制覇しました。やや力の要る芝を得意とする短距離馬ビービーガルダンは、母が誇る長所を素直に受け継いでいると言っていいでしょう。父に2年連続で年度代表馬に輝いた歴史的名馬であり、種牡馬としても大成功を収めつつあるシンボリクリスエスを得たオールザチャット08は、5代前までにクロスが生じないアウトブリード配合を施された牝駒。芝、ダートを問わす、パワフルでタフな走りを披露してくれそうです。
 母系はオセアニアに根付いた系統で、オールザチャット08の叔父に、ニュージーランドダービー(G1)、レヴィンベイヤークラシック(G1)などを制し、ニュージーランド3歳牡馬王者に選出された強豪ワヒドがいます。このほかにも、QTCクイーンズランドオークス2着のキャレラなどが出ている母系は、仕上がりの早さとともに、距離の融通性も持っています。この母系の特性と父の血を活かせれば、オールザチャット08には、短距離だけでなく、中距離戦での活躍も大いに期待できるでしょう。




【管理調教師コメント】

―― 馬体の印象はいかがですか?

領家師 牧場にも何度も見に行かせてもらってますが、今の時期としては、すごくいい感じの馬体に育ってきていますね。顔つきも素直そうで、額に三日月形の星があって、シンボリルドルフみたいでかっこいいんですよ(笑)。まだまだ大きくなりそうな骨格をしているので、おそらく競馬に使う頃には470〜480キロぐらいまでは成長するでしょうね。牝馬にしては馬格のあるタイプになりそうです。脚元も真っ直ぐでまったく問題ないですしね。

―― 血統的にも期待が高まりますね。

領家師 そうですね。兄のビービーガルダンもウチの厩舎なんですが、1歳の段階ではガルダンよりも調整は進んでますね。ガルダンは能力があるのはもちろんですが、素直ですごく扱いやすい馬なんです。この馬も同じように素直そうですから、楽しみですよ。

―― デビュー時期はどのあたりになりそうですか?

領家師 今後の調整次第ですが、早ければ産地馬体検査を受けて、2歳夏の函館、札幌あたりから下ろせるんじゃないですか? トレーニングを始めたら、すぐ仕上がりそうな雰囲気はありますしね。

―― では、適性等も含めて目標を聞かせてください。

領家師 もちろん、牝馬の上のほうのレースを目指して行きたいですね。種牡馬シンボリクリスエスですから、ビービーガルダンよりは、距離もこなしてくれるでしょう。兄に負けないぐらいの成績を残せるように頑張ります。




【生産牧場コメント】
―― まずは、オセアニアのG?競走を勝ったオールザチャットが、繁殖牝馬として、坂東牧場さんにやって来た経緯を伺いたいのですが?

「もともとは、ノーザンファームさんが繁殖として導入した馬だったのですが、縁があって、ウチに来ることになりました。それで、最初に生まれた産駒が、阪急杯を勝ったビービーガルダンだったんです。実は、オールザチャットがウチに来てから、その半弟であるワヒドがニュージーランドの3歳牡馬チャンピオンになったこともあって、オセアニアの方から買い戻しのオファーがあったのですが、それはお断りしました」

―― 母馬としてのオールザチャットは、どういう馬なのですか?

「仔出しは悪い馬です。ウチに来てからも、産駒を出すのは2年に一度のペースですしね。いまは、そんなことはないのですが、ビービーガルダンを産んだときはお乳も出なくて、乳母を付けて育てました。ただ、生まれてくる産駒は、どれも好馬体の持ち主だし、繁殖牝馬としての能力は、極めて高いと思います」

―― オールザチャット08の父にシンボリクリスエスを選んだ理由は?

「本当はサンデーサイレンス系の種牡馬を付けたくて、スペシャルウィークなどと配合したのですが、留まらなかった。最後はダメ元で、基はSS系と同じヘイルトゥリーズン系であるシンボリクリスエスを付けたところ、やっと受胎してくれました。今年も、ハーツクライなどSS直仔種牡馬に付けたのですが、やはりダメで、最後の最後でシンボリクリスエスに行ったら、また留まった。もしかしたら、オールザチャットとシンボリクリスエスは、凄く相性がいいのかもしれません」

―― オールザチャット08が生まれたときの第一印象は? 

「“凄く綺麗で上品な馬だな”と思いました。顔に三日月型の鮮やかな流星があって、その印象も強く残っていますね。5月30日の遅生まれということもあって小柄ではあるのですが、馬体の良さ、品の良さということでは、現在でも、牧場の同期生のなかで、一際目立つ存在です」

―― 性格的には、どんな仔なのですか?

「とても賢くて、人の手を煩わせない馬ですよ」

―― では、競走馬としてのオールザチャット08への期待を聞かせてください?

「半兄のビービーガルダンは短いところで活躍していますが、牧場時代には、マイル〜2000mがいいタイプかなと考えてはいたんです。体型からしても、オールザチャット08には、中距離、あるいはそれ以上の、いわゆるクラシックディスタンスでの活躍を期待しています。オークス秋華賞といったビッグレースに駒を進められれば、本当にうれしいですよね」